中小企業診断士

【体験談】中小企業診断士として独立に失敗しました。

独立診断士としての活動を休止し廃業、再就職します。

本年1月に独立し、3ヶ月半が経過しました。過去記事では(独立してから)2週間後1ヶ月後2ヶ月後とその時々の状況を報告していましたが、3ヶ月後の記事を書けないでいました。

このたび、独立診断士の道をあきらめ、会社員として再就職することになりました。わずか3ヶ月半でこの道を断念することは、なんとも恥ずかしい限りです。

当初の予定では、こちらに記した通り、JICA関連の仕事をするつもりでした。ですが、わずか数ヶ月で、世の中は「飛行機が飛ばない世界」に様変わりしてしまいました。従いまして、仕事はありません。また、海外はもとより、国内での移動も自粛するという世界がやってくるとは思ってもいませんでした。

そして、このコロナウイルスの影響は長期化するでしょう。仮に元通りになるとしても最低2年はかかると考え、その間、個人事業主としての活動を継続することは困難であるため、廃業し、再就職することとなりました。

なお、20年前の話ですが、1999年にカシオ計算機を辞めることを決意してから2000年にソニーに転職が決まるまで、1年以上の時間がかかっています。その間、唇がひび割れるなど、明らかにストレスのために体の変調を来していました。

その点、今回の転職活動期間が短かったことには感謝するばかりです。娘も学校が休校になり、家内に負担がかかる中、精神的にも経済的にも安心させてあげられたことを嬉しく思います。

また、短かった要因としては「自分が世の中から求められること」と「自分がやりたいと思っていること」「自分が出来ること」とのギャップの差が大きかったのだと思います。世の中から求められること=自分がやりたいと思っていること、でなければ事業は継続できないものと改めて感じている次第です。

とはいえ、「会社員だから安全」という時代でないことは明白です。さらに言えば、コロナウイルスの問題が終息しても、「元に戻る」ということはないと思います。これからの世界は(コロナ前とは)常識が変わった形で残り、これから先、どんなことがあっても臨機応変に対応する力が求められるのではないでしょうか。

ただ、先の話はともかく、短い期間ではありましたが、いろんな方に出会えたことや、会社員では到底出来ない経験に恵まれたことに改めて感謝しています。

もっと多くの方に出会いたかった、数多くの支援がしたかったという思いはありますが、いったん区切りをつけ、これまでいただいた仕事(サポート含む)を除き、個人事業主としての活動を休止します。

本来、中小企業診断士はこういった事態のときにこそ、中小企業の支援をなにがしかの形で行うべきで、私に限らず有資格者の思いは皆同じはずです。ですが、そうしたことが出来ないのはまったく以て力不足でしかなく、ただただ申し訳なく思うばかりです。

独立失敗、廃業はコロナウイルスの影響ではなく、なるべくしてなったこと

ここまでで「コロナウイルスの影響でやむなく廃業」と受け止める方もいらっしゃるかもしれません。ですが、コロナウイルスが蔓延するという事態とは関係なく、早かれ遅かれ私の独立は失敗していたでしょう。

自虐するわけではありません。「自分を責めること」は他人を傷つけることなく自分を納得させる一番安易な方法です。

しかしながら、失敗にはかならず要因があります。私にとっての「the-root-cause」は何だったのでしょうか。

  •  事業のポートフォリオを「海外(JICA関連)一本」に偏らせすぎていた。国内/海外の切り分けは難しいとはいえ、複数のポートフォリオを持つべきだった。
  •  会社員時代に「経験」「実績」をより多く重ねておくべきだった。(特にセミナー講師、コンサルティングについての経験が浅かった。)
  •  上記の「経験,実績を積む」には(会社の仕事を)減らす、有給休暇をより多くとることが必要ですが、仕事が忙しく出来なかったので、独立するしかないと思い込んでいた。
  •  その結果、「独立すること」が目的化してしまい、独立後の営業活動や商品づくりに対する認識が甘かった。
  •  総じて、独立するにあたっての「理念」が弱く、何か起こるたびにあっちこっちフラフラしていた。
  •  独立後も、会社員としての思考が抜けきれなかった。(※このあたりうまく表現できませんが。)

特に4番目です。前職時代、副業である程度の準備をしていたとはいえ、その程度で独立できるほど世の中甘くはありません。中小企業診断士で独立されている方はみな優秀で「稼ぐ力」を身に着けている人たちばかりです。

その中に入っても、単に埋もれるだけでしかありません。

私としては「最初の1年間は仕事がない(少ない)ことは想定内」と考えていましたが、その考えも甘かったと言わざるを得ません。

独立とはハイリスク・ローリターンだという認識は持っていましたが、「自分ならなんとかなる」という全くあてのないことを考えていました。

完全に失敗です。





なお、「失敗」に関しては、先人が遺してくれた数々の名言があります。ですが、私の心に刺さるものは少なかったです。きっと、時間が経たないと頭の整理もできないのだと思います。

その時間軸の部分も含め、今の私の心に響く、この言葉を記しておきたいと思います。

やったことは、例え失敗しても、二十年後には笑い話にできる。しかし、やらなかったことは、二十年後には後悔するだけだ。

~マーク・トウェイン~

20年後の私が廃業のことをどう捉えるかは、今後の行動次第です。20年後とは言わずとも、定年後には「笑い話」「後悔」「または別の考え」のどこになっているかが決まります。

そしてこれからのことですが、当然のことながら、再就職先の仕事に集中します。

とはいえそれでも「第2の人生」は確実にやってきます。私の場合は10年以内に。そのための備えは必要なのでしょうが、慌てることが今一番やってはいけないことです。ここは失敗を受け止め、いったん立ち止まるべきと考えています。

また、「そんなんだったらソニーを辞めなければよかっただけのこと。自業自得だ」という方もいらっしゃるでしょう。その通りです。

ですが、もし辞めてなかったとしたら、「いつかは診断士として独立する」と思いつつ甘い考えのまま生きていたでしょう。その結果、結局失敗していたことでしょう。残念ながら同じことです。

最後になりますが、私の独立をお祝いしてくれた方、アドバイスいただいた方、あたたかく送り出してくれた前職の方、すべての方にお詫びいたします。本当に申し訳ありませんでした。