中小企業診断士

セミナー講師にとって必要な○○力

セミナー講師にかかせない力とは?

タイトルの「セミナー講師にとって必要な○○力」と聞くと皆さまは「○○」の箇所に何を思い浮かべるでしょうか?「回答(解答)力」「洞察力」「説得力」、いろんな言葉が思い浮かぶかと思います。そして、実際これらの力は話す力とは別に必要なものです。

ですが、私が思うに、セミナー講師に欠かせないのは「筋力」だと思っています。(1字足りないというツッコミはなしで!)

これはなぜかというと、セミナー講師は「その人がいないと講座が成り立たない」という労働集約的な仕事ですので、自分の体が資本です。体調を崩すとその日1日仕事が出来なくなるばかりか、インフルエンザにでもかかろうものなら周りへの配慮も含め1週間単位で講師業が出来なくなります。

ただ、「健康のために体力作りをしましょう」という一般論ではなく、さらに加えて、セミナーを開催する場合に備えて筋肉をつけておく必要があります。これはなぜでしょうか?




セミナー開催する場合、多くの能力が必要になります

私はセミナーについては、いまのところ実績らしい実績がありません。ですが、来るべき日に備え、コンテンツを準備し、話し方の練習について鍛錬しています。そして練習をしていると、人前で話すことというのは、多くのスキルが必要だということに気付きます。

会社員時代にも人前でプレゼンをする機会は数多くありましたが、「会社の仕事で行うプレゼン」と「セミナー」とでは大きな差があります。具体的には以下の2点です。

社内プレゼンセミナー
話す対象(顧客)知り合い(社員)初対面のケースが多い
自分が話す位置座って話すことが多い立って話すことが多い

もちろん、社内プレゼンで立って話すこともあるでしょうが、長くても1時間くらいでしょう。ところが、セミナーの場合は2時間、半日、あるいは終日立って話すことが求められます。

プレゼン練習は、自分で行ったものをビデオで見返すようにしていますが、その都度気づきがあります。例えばですが、

  •  話をするときにスライド(PC)ばかりに目が行ってしまい、参加者からすると下を向いてばかりの講師に見えてしまうことがある。
  •  同じように、プロジェクタの投影ばかりを向いてしまい、参加者は背中ばかり見ることになる。
  •  知らず知らずのうちに足の位置があちこちにずれてしまい、聞いている側の視線がそちらに向いてしまう。
  •  強調するポイントを明確に示さないと、話が単調になってしまう。

といったことが、練習を通じて学んだことでした。これらのセミナー講師Tipsは理屈ではわかっていても、実践しないとなかなか身につきません。とくに体の動きについては、ついつい受講者の目に止まってしまうため、しっかりした足腰でないと見栄えが悪いです。

長くなりましたが、これがセミナー講師にとって筋力が必要な理由です。とくにムキムキになる必要はありませんが、1日立って話すだけの体力。これが重要です。

言うまでもなく、セミナーは話す内容(コンテンツ)そのものが一番重要なのですが、受講者に伝わらなければ意味がありません。(ですので、資料を書く力も必要です。)

私もセミナーを聴くときは、その人の立ち方に着目します。普通はそんな人はいないのでしょうが、この記事を読んだ方、少しだけ目を向けてみてはいかがでしょうか。