自分のやりたいことを真ん中に据える
退職のコラムを先日書きました。
来年から独立診断士として活動しますが、これからの人生で何をするかはいろいろ考えました。診断士なので、自分の強みを棚卸して、機会(世の中のニーズ)と重ね合わせて、、、と考えていったわけですが、やっているうちに強烈な違和感を感じました。
「これやれば、世の中にニーズはあるだろうし、食べていくことは出来るんだろうけど、思い浮かべるだけでも面白くないし、辞める理由にならないんじゃない?」
前にも書きましたが、私は電機メーカーでコンスーマー製品に関わりたくて入社したわけです。(途中転社はありましたが、職種(ソフトウェアエンジニア)は変わっていません)もちろん、そのことは誰からの指示を受けたわけではありません。
言うまでもなく世の中にはいろんな業界があるわけで、銀行、建設、小売、不動産、商社、自動車、食品といった業界あっても、私の中では電機しか頭にありませんでした。
また、会社員でありながら診断士活動をし続けていたのも「面白かった」からに他なりません。
ところが、会社を辞めて独立する段階になると「食っていけるか」に頭が行ってしまい、「世の中のニーズに合わせて業務内容を考え」「その業務内容に必要なスキルを会社員であるうちに身につける」と考えるようになってしまいました。
その結果、疲弊してしまったのは言うまでもありません。
「好きでなければ、長く続かない」
そもそも電機メーカー社員を2社で27年以上やってきたのも、「好きだから」に他なりません。その「好き(正確に言うと、”自分の仕事に誇りを感じる”)」がなければここまで続かなかったでしょう。
そして辞める理由も新しい「好き」が出来たからです。それが中小企業診断士の仕事でした。
「であれば、次の人生も好きなことをやっていこう。たとえ需要がなくとも。スキルが足りなくとも。」
需要がない、は言い過ぎな気もしますが、それにしてもやりたいことを真ん中に据えない限り、辞める必要はないと考えました。
合理的な判断をしようとすればするほど、現状維持バイアスがかかる上、不確実性が極めて高い独立という選択肢は不合理な判断という位置づけになってしまいます。
お金、社会的信用、家族の安心感、、、マーケティングすればするほど、「会社員の方が安定していていい」という結論になります。
逆に言うと「中小企業診断士の独立は極めて非合理的な意思決定である」と素直に思えるようになったとき、自分の進むべき道が見えてきました。
残りの社会人人生、悔いのないようにしたい。今はそれだけ考えています。
