書籍紹介

新・関係人口入門(ソトコト)

関係人口とは?

私のプロフィールにもありますが、ソーシャル&エコマガジンの「ソトコト」を定期購読しています。(※Fujisanだと年間購読が半額になります。隔月刊なので値段もお手頃です。) 今号の特集は「新・関係人口入門」は毎年1回組まれる定番テーマ。内容盛りだくさんでした。ただ、この記事を読まれている方は「関係人口ってなに?」と思われる方もいらっしゃると思います。言葉の定義は人それぞれですが、私が考えるには以下の通りです。なお、詳しい情報は総務省のサイトもあるので参照ください。

関係人口の定義

 関係人口とは、一言で言うと「観光以上、移住未満」です。(今号の表紙にもありますが) その地域に住む住民ではないけれども、地域との関わりを持っている人口になります。定住(移住)は敷居が高いですが、そうでなくとも単なる観光客以上の関わり、たとえばその地域のイベントに参加したり、年に1回以上定期的に通ったり、関わり方はさまざまです。つまり、その地域が好きで応援している人、となります。

私の例で言うと先月投稿した、解は必ず現場にある(石川県能登町)にあるように今回初めて能登町に行きました。これを以てすぐに「関係人口になった」とは言い難いですが、とてもいい町で次にいつ行けるのかが楽しみで仕方ありません。また実際、能登町への観光客数は右肩上がりで増加しています。なお、私は仕事で台湾や深センに何度も行きましたが、これはビジネスなのでまた別ですね。要は(行く側の)思い入れがどれだけあるのかだと感じています。




故郷がなくても「第2のふるさと」

 私は東京生まれで東京育ちなので「田舎」というものがありません。ですが、「関係人口」となるのに血縁は関係ないです。ただ、縁(というよりきっかけ)が何かあって、その町の良さに触れた人が徐々に関係人口になっているように思えます。(そうでないと何回も行かないですよね(笑)。) 話をソトコトに戻すと、関係人口についてのアンケートがありました。どのくらいの報恩頻度なのか、地域活動には参加しているのか、関係性を深めるのに必要な要素は?など。(詳細は本誌を参照願います!)

また、記事の中では「おてつたび」というサービスの秀逸さに驚きました。短期間ではあるものの、野菜の収穫を中心にその地域の「お手伝い」をするというもので、半分ボランティアではあるものの、それだけでなく地域との関係性が持てるということが大きく、「旅とボランティアの中間」に属する画期的なサービスだと思います。残念ながら案件に比べて応募者数が多いとのことで「募集は終了しました」というのを多々見かけました。利用者層は比較的時間のある学生が中心とのことですが、私も学生時代にこういうのがあったらなあ、と思った次第です。

 今、盛んにテレワーク導入の動きがある中、クリエイター、エンジニアなど在宅ワークに向いている職種では、関係人口の輪がどんどん広がっていく可能性があると私は考えています。ただ、人口減少社会を迎えるにあたって、行政側は「移住」を前提に考えているところが少なくないようにも思えます。しかし、将来的に移住するにしても「今すぐ」と言われると簡単には踏み切れないものです。そうした中、手前の段階として「関係人口」の輪を広げていく取り組みが必要です。そういった意味で、ソトコトに掲載される会社、ひとは若い方が多く心強く感じてます。そして、若いかどうかはこの際無視(!)して私も日本のいろんなところに飛び込んでいきたいと思います。